japex石油資源開発会社
  • 採用情報
会社情報 TOP
事業紹介 TOP
技術情報 TOP
サステナビリティ TOP
IR情報 TOP

ジオメカニクス(力学的変動評価)

日本語English

ジオメカニクス(力学的変動評価)は、地下の岩盤での力学的な状態や破壊を取り扱う理論体系です。地下の掘削や圧入作業に関するさまざまなモニタリングデータを収集し、ジオメカニクスにもとづいた力学的バランスの変動を評価します。

ジオメカニクス(力学的変動評価)とは

坑井の掘削や原油・天然ガスの生産、それらの増産のためのIORImproved Oil Recovery)・EOREnhanced Oil Recovery)や坑井刺激のための流体圧入など、石油・天然ガスの開発生産で実施する作業は、地下の力学的なバランス(有効応力)に影響を及ぼします。その結果、地下の亀裂の形成や進展、孔隙の収縮や膨張で浸透率が変化し、原油・天然ガスの生産挙動に影響が出ることがあります。また、地盤の沈下や隆起といった変化、地震誘発といったリスクが考えられる場合があります。

ジオメカニクス(力学的変動評価)では、地下のさまざまな深度や条件のモニタリングで収集したデータを評価し、安全かつ効率的な石油・天然ガス開発へ役立てています。

geomechanics_monitoring.jpg

石油ガス・天然ガス開発で引き起こされ得る力学的な変動・破壊とそのモニタリング

主な評価項目

  • 間隙圧力
    • 岩盤中の間隙(すきま)に存在する流体の圧力。地層の埋没による圧密の程度や流体の流れやすさの違い、間隙に存在する流体の種類(水・油・ガスなど)によって、静水圧を上回る異常高圧となる場合も。
  • 垂直応力/最大水平圧応力/最小水平圧応力
    • 地下の岩盤に働いている力を、単位面積あたりに働く「応力」で表す。個体である岩盤は、水などの流体と異なり自由に形を変えられないため、方向によって応力の強さが異なることが一般的。
  • 有効応力
    • 地下の岩盤(固体)に働いている応力は、その全応力から間隙圧力を差し引いた「有効応力」として評価。地層流体の生産や地層への流体圧入で引き起こされる間隙圧の変化が、有効応力の変化に直結。
  • 岩石の変形・破壊特性
    • 岩石は、載荷される力の大きさに応じて変形・破壊する。その変形・破壊挙動は、岩石の鉱物組成や間隙の形状、き裂の有無など岩石そのものの特徴のほか、周囲の温度や応力状態によっても変化。

ジオメカニクスの検討ワークフロー

ジオメカニクスの検討は、いわゆるPDCAPlan-Do-Check-Action)サイクルのワークフローとして進められます。

間隙圧予測によりジオメカニカル・モデルの構築が始まり、その後の力学的変動評価と操業計画の策定(Plan)に利用されます。また、開発や生産操業(Do)で得られる、実際の坑井破壊や出砂の状況といった力学的変動の観測事実(Check)をフィードバックし、ジオメカニカル・モデルを修正・更新(Action)していきます。

JAPEXでは、地層流体流動と力学の数理モデルを連成した数値シミュレーション「ジオメカニカル・シミュレーション」についても、実際のフィールドで利用しながら技術開発を進めています。石油・天然ガスなどの地層流体の産出や各種の圧入操業により引き起こされる、力学的状態変化や地層破壊発生の予測・評価をより精緻なモデルで行うことが可能となり、計画策定(Plan)やモデル更新でのパラメータの修正(Action)に役立ちます。

モニタリング技術の開発

JAPEXの技術研究所は、グループ会社とも協力しながら、力学的変動・破壊の状況を監視するためのモニタリング技術の開発を行っています。開発した技術は、グループ会社の技術サービス事業へも活用されています。

リモートセンシングによる地表変動モニタリング

広範囲に及ぶ地表の変形(隆起・沈降)をモニターするためには、人工衛星などによるリモートセンシング技術が効率的です。

JAPEXグループでは、特にIn-SAR(合成開口レーダー)による地表変動の観測技術を開発しています。これまでに、海外の二酸化炭素地中貯留フィールドや、オイルサンド開発フィールドでの適用実績があります。

また、観測した地表変動量を拘束条件とするジオメカニカル・シミュレーションにより、操業での地下流体流動と力学変動を推定する取り組みも行っています。

AE/微小振動(Microseismic)モニタリング

地下の岩盤で発生する、き裂のせん断すべり・伸展にともなう弾性波(AEAcoustic Emission、微小振動:Microseismic)をモニターすることで、その発生位置や規模、き裂の向きやせん断すべりの方向といったメカニズムを推定できます。

JAPEX技術研究所では、これまでに開発してきた技術などを活用し、遠隔での常時リアルタイムモニタリングシステムの構築を行っています。

CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素の回収・貯留)など、長期の流体圧入操業では恒常的な監視体制が求められます。また、タイトオイル・ガス開発などで実施する水圧破砕時にも、AEの観測が行われることがあります。観測データは、地下の刺激領域や刺激メカニズムの検討に役立てられています。

関連ページ
フォルダーのアイコン

当社ウェブサイトは、訪問者様のサイト閲覧時の利便性向上のために、Cookieを使用しています。当社ウェブサイトのCookie使用方針をご確認いただき、ご同意いただける場合は「同意する」ボタンを押してください。当社ウェブサイト閲覧時のCookieの使用に同意いただけない場合は、ご利用のブラウザでCookieの設定を無効化ください。