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三次元地震探査と震探地形学

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震探地形学(Seismic Geomorphology)は、三次元地震探査の発達と堆積学の適用により、2000年代初頭から実用化された貯留層の分布形態を三次元で解析する技術です。

震探地形学では、それまでは一次元もしくは二次元データでしか推定できなかった貯留層の分布形態を、三次元反射法地震探査データで得られる振幅や、波形、周波数などの情報を高精度に解析して貯留層の分布形態を可視化し、堆積学やシーケンス層序学の概念を組みあわせて解析することにより、河川、海底扇状地、炭酸塩岩リーフなど貯留層堆積時の地形を復元して貯留層分布の推定を行います。

石油・天然ガスの探鉱および近年注目されているCCS(二酸化炭素の貯留・回収)のCO2圧入においては、地下にある貯留層の分布形態の推定が重要な課題になっています。三次元地震探査データを用いた震探地形学解析により貯留層分布形態を正確かつ精緻に推定することは、探鉱におけるリスクや、CO2貯留量の不確実性の減少に役立ちます。

JAPEXにおける導入例

JAPEXは、国内外の石油・天然ガスの探鉱・開発やCCS貯留層の評価で、この手法を導入しています。

導入例1:河川チャネルおよび海底扇状地チャネル・舌状体貯留層の振幅不透明度調整画像解析結果

震探地形学解析の一手法である振幅不透明度解析は、三次元地震探査データのうち、貯留層を示す振幅値を不透明として残し、他の部分を透明にして表示することにより、貯留層形態を三次元表示する手法です。A1A2は河川チャネル貯留層、Bは海底扇状地のチャネルおよび舌状体貯留層の振幅不透明度解析結果例です。

seismic_analytics.jpg

A1-A2:河川チャネルの振幅不透明度調整解析結果/B:海底扇状地チャネルと舌状体の振幅不透明度調整解析結果 (出典:高野・辻, 2013 (c)日本地質学会=*1)

導入例2:海底扇状地チャネルの振幅不透明度調整画像解析および堆積体抽出結果

振幅不透明度解析とともに震探地形学解析の一手法である堆積体抽出解析は、貯留層を示す振幅値を連続して追跡し、一連の堆積体としてデータ抽出と表示を行う手法です。a)b-1)は海底扇状地チャネル貯留層の振幅不透明度解析結果、b-2)b-1のチャネル貯留層部分をデータ抽出し、貯留層堆積体として三次元表示したものです。

seismic_extraction.jpg

a:海底扇状地の振幅不透明度調整解析結果/b-1&2:深海チャネルの振幅不透明度解析結果および貯留層堆積体抽出画像 (出典=*2)

導入例3:海底扇状地チャネルレビーシステムの堆積面三次元表示

三次元地震探査データの反射波をデータとして抽出し、深度や振幅値を重ねて表示させることによって、堆積面の三次元表示をすることができます。下図は海底扇状地のチャネルレビーシステムの堆積面三次元表示例で、チャネル、舌状体、自然堤防の形状を見て取れます。

seismic_3d.jpg

海底扇状地チャネルレビーシステムの堆積面三次元表示 (出典:高野・辻, 2013 (c)日本地質学会=*1)

(出典)

*1:高野修・辻隆司, 2013, 石油探鉱開発における三次元地質・貯留層モデリング:堆積学・シーケンス層序学・サイスミック地形学・物理探査学・地球統計学の融合による地質モデルの構築, 地質学雑誌, 119, 8, 567-579

*2:高野修・西村瑞恵, 2009, 三次元サイスミック地形学(seismic geomorphology)手法による貯留層のイメージングと分布解析:海底扇状地タービダイト砂岩を例として, 石油技術協会誌, 74, 1, 40-51

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