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インドネシア・南スマトラ州におけるBECCSの適用性評価に係る共同スタディ契約の締結について

丸紅株式会社(以下、「丸紅」)と石油資源開発株式会社(以下、「JAPEX」)は、インドネシア国営エネルギー会社であるPT Pertamina(Persero)(以下、「プルタミナ」)と同傘下のPT Pertamina Hulu Energi(以下、「PHE」)と共に、インドネシア共和国南スマトラ州のパルプ工場および近隣の油田エリアにおけるBECCS*1の適用性評価(以下、「本スタディ」)実施に向けた共同スタディ契約を締結しました。

本スタディは、丸紅のインドネシアにおける子会社PT. Tanjungenim Lestari Pulp and Paper社(以下、「TEL社」)のパルプ工場において、バイオマス燃料を使用した自家発電用ボイラーから排出されるCO2を回収し、TEL社工場近隣でプルタミナグループが操業するリマウ油田鉱区北部の向斜部帯水層(*2)へ圧入・貯留するBECCSの適用性評価を実施するものです。本スタディを通じ、2030年までの貯留開始を目指します。

BECCSは、カーボンニュートラル実現に向けて重要な役割を果たすネガティブエミッション技術(CO2正味排出量をマイナスにする技術)の一つであり、完全な脱炭素化が困難な産業の残余CO₂を相殺するために特に有効な選択肢として期待されています。現在、BECCSの技術は実証段階から初期商用化へと進展しており、本スタディより商業スケール案件が実現した場合、先駆的なBECCS案件となります。

丸紅は、2021年3月に気候変動長期ビジョンを策定、中期経営戦略「GC2024」ではグリーン戦略を企業価値向上に向けた基本方針の一つと位置付けています。CCS事業は気候変動問題に対しポジティブインパクトを創出するための一つの事業機会であり、本スタディを通じた新たな事業の創出により、インドネシアの持続可能な経済発展に貢献していきます。

JAPEXは、今後も本スタディを含め、国内外におけるカーボンニュートラル、またはカーボンネガティブ分野の事業化を目指した取り組みを進め、時代に合わせた「総合エネルギー企業」としての成長と、企業価値のさらなる向上を引き続き目指していきます。

注)

*1: バイオマス発電とCO₂の回収・貯留を行うCCSを組み合わせた技術。発電時のCO₂の排出量とバイオマスのCO₂吸収量が等しくなり、CO₂の排出量が実質ゼロになるバイオマス発電にCO₂の削減をするCCSを組み合わせることで、CO₂の吸収・削減量が排出量を上回ることができる。Bioenergy with Carbon Capture and Storageの略。

*2: 地下水で満たされた砂層。

写真についてはPDF版を参照ください。

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