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カナダ国アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド拡張開発事業における水蒸気圧入開始について

石油資源開発株式会社(以下、当社)は、在外連結子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited(以下、JACOS)を通じて進めている、カナダ国アルバータ州ハンギングストーン(Hangingstone)鉱区におけるオイルサンド拡張開発事業(以下、拡張開発事業(*1))について、SAGD法(*2)を用いたビチューメン(オイルサンド層から採取される超重質油)の生産開始に向け、オイルサンド層内への水蒸気の圧入を2017(平成29)年4月28日(現地時間)に開始しましたので、お知らせします。

拡張開発事業は、日量2万バレル規模でのビチューメンの生産操業を目指し、2013(平成25)年2月に現地工事に着手し作業を進めてきました。2015(平成27)年2月には生産操業に必要な生産井および水蒸気圧入井の掘削を完了、2017(平成29)年2月に中央処理施設の建設作業を完了し、水蒸気圧入に向けた準備を進めてきました。

今回の水蒸気の圧入開始は、生産操業開始までの最終準備段階と位置づけられるもので、今後、2~3ヶ月かけて地下300m前後にあるオイルサンド層内の温度、圧力を上昇させたうえで、予定どおり本年年央にビチューメンの生産を開始できる見込みです。ビチューメンの生産量は徐々に増加していき、2018(平成30)年中盤に日量2万バレルに達するものと予測しております。

当社は、1978(昭和53)年から40年にわたり、カナダにおけるオイルサンド開発に携わってきており、1999(平成11)年にHangingstone鉱区3.75セクション地域(DEMOエリア)において他社に先駆けてSAGD法でのビチューメン生産に成功した後(なお現在は生産操業一時休止中(*3))、本格的な商業規模での生産操業を実現すべく、拡張開発事業を進めてきました(*4)。拡張開発事業によるビチューメン生産量のさらなる増加と長期間にわたる安定した生産は、当社の主要事業基盤の1つになるものと考えております。拡張開発事業はJACOSが75%の参加権益を有してオペレーターとなり、25%参加権益を有するNexen Energy ULC(CNOOC Limitedの100%保有子会社)をパートナーとする共同事業です。

なお、本件による2017(平成29)年3月期の当社連結業績に与える影響はありません。また、2018(平成30)年3月期の連結業績への影響については、今後公表する業績予想に反映させる予定です。

注)

*1:2016(平成28)年11月8日公表当社資料「カナダ国アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド拡張開発事業における生産開始時期および投資額の見直しについて」参照。

*2:SAGD法(Steam Assisted Gravity Drainage)とは、地下300m前後にあるオイルサンド層内に、5mの正確な上下間隔で500~1,000mの水平期間を持つ2本の坑井を掘削し、上部の水蒸気圧入井に高温高圧の水蒸気を連続的に圧入してオイルサンド層内を加温させることにより、ビチューメンに流動性を持たせ、重力によって下方に流れたところを、下部のビチューメン生産井から熱水とともに地上に生産する手法。また、生産に利用した熱水は90%以上をリサイクルし、取水・廃水を最小限にした効率的な操業を実施。

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