カナダ・アルバータ州Hangingstone鉱区オイルサンド開発事業の最終投資決定について

石油資源開発株式会社（以下、当社）は、本日12月14日開催の取締役会において、カナダ・アルバータ州Hangingstone鉱区（以下、同鉱区）でのオイルサンド開発事業（以下、本事業）に関する最終投資決定を行いましたので、お知らせいたします。 

当社連結子会社であるJapan Canada Oil Sands Limited（以下、JACOS）は、同鉱区通称3.75セクション地域において、現在、6,000～7,000バレル/日のビチューメン（オイルサンド層から採取される超重質油）を生産しております。本事業は、3.75セクション地域に隣接する地域における開発事業であり、75%の権益を保有するJACOS（オペレーター）と、25%の権益を保有するNexen Inc.（以下、Nexen）との共同事業です。本年11月にアルバータ州政府からの開発事業許可を取得し、また、基本設計作業を完了したことから、今般、2016年上期の生産開始に向けて本格的な開発作業に着手することといたしました。 

本事業においては、投資および技術リスクの低減の視点から、初期の生産挙動を見ながら順次生産を拡大する段階的開発を行う予定です。具体的には、初期開発においては、20,000バレル/日規模のビチューメン生産を見込み、これを30,000バレル/日規模に拡大する施設増設の決定は生産開始後に行うこととなります。生産期間は30年程度に亘り、3.75セクション地域において既に10年を超える適用経験を有するSteam Assisted Gravity Drainage（SAGD）法を用いて操業を行います。 

生産されたビチューメンは、コンデンセート等の超軽質油で希釈し、重質油相当の希釈ビチューメンとして、主に米国の製油所に対しパイプラインを通じ販売をすることを計画しております。 

本事業の初期開発に係る総投資額は約14億カナダドルを予定し、JACOS権益分（75%）としては、約11億カナダドル（円換算で約900億円）であり、自己資金と借入金にて所要資金を賄う予定です。

なお、共同事業者であるNexenは、同社としての最終投資決定を2013年の第1四半期に行うことを見込んでおりますが、既に、本事業を先に進めることを認め、実施計画および関連施設の仕様を承認しておりますので、JACOSは当社の意思決定後、直ちに作業に着手することになります。

本事業の概要

1. 生産開始（予定）：2016年上期
2. 生産量（予定）：生産量は、初期開発においては約20,000バレル/日規模、その後、中央処理施設を拡張することにより最大約30,000バレル/日規模。生産期間は30年程度。
3. 本事業参加割合：JACOS75%（オペレーター）、Nexen25%
4. 総投資額（初期開発）：14億カナダドル、うちJACOS負担分（75%）は約11億カナダドル（円換算で約900億円）
5. 資金調達方法（初期開発）：自己資金と借入金
6. マーケティング：希釈ビチューメンとして主に米国製油所にパイプライン輸送にて販売することを計画
7. 政府許認可関係：2010年4月にアルバータ州政府（エネルギー資源保全委員会および環境省）に開発許可申請を提出、2012年11月に開発事業許可を取得。
8. 本事業の位置付け：当社は、1978年より国と経済界の支援を受けながら、カナダオイルサンド埋蔵地域におけるビチューメンの商業的生産手法について様々な実証実験を重ね、1999年からSAGD法を用いて生産操業を行ってまいりました。今回の開発の実現により、オイルサンド事業は当社の基幹事業分野の一つとして大きな一歩を踏み出すことになります。当社は、今後、本事業を礎にして、JACOSが保有するCorner、Chard等、周辺鉱区の開発の可能性も検討していく予定です。