これまでのCCS取り組み
日本においてCCSは、2000年代からエネルギー基本計画などで将来の課題の一つとして検討されてきました。特に2010年代以降には、政府のCCS実証プロジェクトなどへ具体化し、実用化に向けた検証や技術開発などが進められました。
JCCSによる苫小牧CCS実証試験
JAPEXをはじめ民間各社が出資したプロジェクト会社である日本CCS調査株式会社(JCCS)が政府から受託し、実施したのが「苫小牧CCS実証試験(事業名:苫小牧におけるCCUS大規模実証試験)です。
政府の実証プロジェクトとして2025年現在も継続中であり、北海道苫小牧沖海底下へCO₂を大規模に圧入する実証試験です。
- 2012~2015年度:準備期間
- 実証試験に必要な設備の設計・建設
- CO₂圧入と観測に必要な坑井の掘削
- 周辺環境モニタリング設備の設置
- 海洋汚染防止法に基づいた海水・海洋生物などの事前調査 - 2016年4月~2019年11月:CO₂圧入
- 2019年11月22日に、目標量である累計30万トンのCO₂圧入を完了 - 2016年4月~:モニタリング実施中
苫小牧大規模CO₂圧入実証試験 地上設備
(写真提供:日本CCS調査株式会社)
JAPEXは、JCCSの筆頭株主として、政府の実証試験に参加しています。また、JAPEXとして、地下構造の把握や岩石物性の推定、圧入井の掘削、生産・流体移動シミュレーションや地震探査などによる地下モニタリングなど、JAPEXが石油・天然ガスの開発や生産で培った技術や知見を提供しました。
二酸化炭素地中貯留技術研究組合
2016年3月に設立された「二酸化炭素地中貯留技術組合(技組)」は、CO₂の地中貯留技術に関わる企業、公的研究機関が参加した、実用化規模でのCO₂地中貯留技術の開発を目的とした組織です。
JAPEXは設置当初から本組合に参加しており、「大規模貯留層の有効圧入・利用技術」のうちCO₂マイクロバブルの圧入技術の検討で主導的な役割を担っています。
申川油田における実証試験
当社が組合員として参画する「二酸化炭素地中貯留技術組合」が、2019~2020年度に秋田県・申川油田で、既存坑井を用いたCO₂マイクロバブル圧入実証試験を実施しました。CO₂を微小な泡状にした「マイクロバブル」で坑井に圧入することにより、通常の形態でのCO₂圧入に比べ、CO₂貯留率と原油回収率の向上を確認しています。
2021年度以降は、この実証試験で得られた結果をもとに、フィールドでの実用化に向けた検討を進めています。
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